こんにちは。
ボイストレーナーの松木翠です。
コロナも明けて、職場の仲間や家族と気兼ねなく
お酒や食事を楽しむシーンが増えてきてませんか?
騒がしい居酒屋の店内。
注文がしたいけど店員さんが見当たらないし、
呼び出しボタンもない。
精一杯出した「すいませーん」の一言が
全く届かなくて、気まずいやら悲しいやら。
こんな悩みをレッスンの雑談で耳にしました。
実はこれ、通りやすい声を持っているシンガーには縁遠い悩みなんです。
実際にシンガー達が実践している店員さんの呼び方の
ポイントを3つ紹介していきたいと思います。
■高めの声を出す
まず、大きい声を出そうとするのではなく、
少し高めの声で発声してみましょう。
シンガーは「会話の音域」と「歌う音域」を
シーンによって使い分けています。
会話をする時の声の音域は、
低音域から中音域にかけての
比較的狭い範囲と言われています。
高めの声を出すことで、周りの声に混じる事なく、
店員さんに届きやすくなります!
■一人の店員さんをロックオン
一人の店員さんに狙いを定める。
これが意外と重要だったりします。
これは舞台上のパフォーマンスと同じで、
声を届けるイメージを持つのが大切です。
店員さんはお店中に意識を張り巡らせているものです。
その意識に引っ掛かるようなアクションや、
声のトーンが出るとハッと気付いてくれます。
歌手や音楽のジャンルによって異なりますが、
歌う時は低音域から高音域までの広い音域を使い、
周りの空気を振動させて観客の心を掴みます。
まさにそれは騒音の中でも同じような働きをしていくのです。
■サザエさんをお手本に
最後にどんな声がいいのかを具体的にお伝えします。
みなさんのお母さんやおばあさんが電話に出る時の
「〇〇(苗字)でございます」の声をイメージしてみてください。
「ザザエさん」オープニングの「サザエでございま〜す!」
みたいなやつです。
あのテンションやトーンがとってもおすすめです!
以上の3つを意識してみてください。
飲酒している時に限らず、会話時に大きな声を無理に出すと、
喉に負担をかけやすい発声になってしまいます。
空気が乾燥してくるこの時期は、
より喉を痛めるリスクは高くなり、
そこから風邪を引いてしまう可能性もあります。
店員さんを呼ぶためだけではなく、
騒がしい場所での会話にも役立てることができますので、
日頃の会話と時にも気をつけてみてくださいね!